気が付くと、無機質な天井とご対面していた。

周りにある白い壁と、白いカーテン。

外のカチャカチャという独特な金属音から、ここが病院だとわかった。

・・・かなり時間がかかったが。

そういえば頭が上手く働かない。

寝起きだから、かな・・・。

ていうか俺・・・なんで病院に居るんだ・・・・・・・?

襲ってきた睡魔と格闘しながらそんな事を考えていると、ガラッとカーテンの向こうから音がした。

・・・・ドアが開いたらしい。

コツコツという靴音。

皮製の靴。

カーテンの手前でその足音は止まった。

「様子はどうだ?」

「まだ目を覚ましません」

男の声・・・

知り合いじゃなさそうだ・・・

「そう、か・・・ついてないな。希少な生存者が昏睡状態とは・・・」

「なんかドラマみたいっすよね」

「アホ」

バシッ、という叩く音

片方はツッコミ体質らしい

・・・てことは、叩かれたほうはボケか。

「イテテ・・・そんな思いっきり殴らなくても・・・」

「五月蝿いお前が悪い」

「五月蝿くなんてしてないじゃないですか・・・先輩のバイオレンス」

・・・ドカッ

「蹴りいれること無いじゃないですか〜・・・」

「・・・知るか」

「・・・・・奥さんには頭上がらないくせに」

「・・・ん?」

「いいえ、なんでもありません」

「・・・・見張りを続けろ」

「わかりました・・・・にしても先輩。ホントにこのまま起きなかったらどうするんですか?」

「・・・・起きるさ、ソイツなら」

「・・・・・・・先輩?」

「・・・なんでもない。あと少しで交代だから、引き継ぎの準備しておけよ」

「了解です」

 

再びドアが閉まる。

カーテンに映る影が1つに減った。

その影も、しばらくして消える。

どうやら部屋の中を移動したらしい。

 

・・・・腹、減ったなぁ・・・

キュルル〜・・・

あ、ヤべ。

 

「ッ!?おい、起きてるのか?」

シャッ、とカーテンを開けたのは、さっき蹴りを入れられていた方・・・だと思う。

20代の若い男。

・・・眠そうだ

瞼が落ちる寸前まで落ちている。

・・・寝惚けた俺が分かるくらい。

「え、と・・・起きてる」

「・・・・・先輩呼んでくるから、そのままじっとしてろよ」

男はそれだけ言うと、カーテンを閉めずに病室から出て行った。

廊下から「せんぱぁぁぁい!!」という情けない声が聞こえてくる。

・・・・・・・アイツ、寝不足で頭がオカシイのかも。

病院で叫んじゃマズイだろ。 

                    (act.01  end)

 

 

 

アトガキ

なかなか進まなくてごめんなさい。

もう、男の子視点イヤ・・・

なんでこんなに難しいの(泣)

 

 

 

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